2026.07.03
カテゴリー: TULALA TRUITE(ツララトリュテ)
【STAFF】なぜクレールス5.8Lは4〜16gなのか【後編】 by小川義行

こんにちは。TULALA北海道スタッフの小川義行です。
前編では、クレールス5.8Lのウェイトレンジのうち、下限の4gから適正レンジ上限の11gまで、つまりこのロッドの本領が出るレンジの話をしました。5〜7cmのミノーから9cm以上の大きめのルアーまで、ベイトフィネスリールを前提に幅広く扱える、という話です。
ただ、スペック上の上限は11gではなく16gで考えています。適正レンジ(6〜11g)を超えた、11gから16gまでの5gの幅が残っています。
後編は、適正レンジを超えた11〜16gで何をするのか。そして、結局4〜16gというレンジ全体が何を意味しているのか、という話です。
11〜16g:テクニックの拡張
11gを超えてくると、「気持ちよく振り抜く」とは少し違う領域に入ります。ただ、ここはここで、明確な使い方がある領域です。
代表的なのが、リフトアンドフォールのテクニック。少し重めのルアーを底まで落として、跳ね上げて、また落とす。流れの中で大型のトラウトを狙う、けっこう効くやり方です。
私が長く愛用してきたのが、ウッドリーム アルボルタイプ2(14g)。このルアーのリフトアンドフォールで、これまで何本も大きいのを仕留めてきました。クレールス5.8Lにとっての14gは、「気持ちよくキャスト」ではないですが、ロッドのバットがしっかり仕事をしてくれて、リフトアンドフォールのキレも、フッキングの強さも問題なく出せる領域です。
現在は同じリフトアンドフォール用に、ハードコア トラウト ヘビーフラット80もテスト中です。アルボルと並ぶもう一つの選択肢として、どこまでフィールドで機能するかを見ているところです。
つまり、11〜16gは「適正レンジを超えてはいるが、明確なテクニックの居場所がある」。これがあるかないかで、ロッドの守備範囲は大きく変わります。
16gの上限:ラパラ CDJ11
クレールス5.8Lで投げる一番重いルアーは、ラパラ CDJ11(11cm/16g)。これがMAXです。
ここで正直に書くと、16gは「使える」「リフトアンドフォールの幅としても使える」けれど、「気持ちよく振り抜けるか」と言われると別の話です。
私の感覚では、こうなります。
・11gまで:キャストで気持ちよく振り抜ける
・11gから16g:リフトアンドフォールを中心としたテクニック領域
・16g:「ここまでは投げられる」「これ以上は別のロッドの仕事」という上限
整理すると、使用可能レンジは4〜16g、適正レンジは6〜11g。この二段で捉えていただくのが、一番現場の実感に近いと思います。
なぜ4〜16gなのか:北海道の川が基準
最後に、この4〜16gというレンジがなぜ北海道基準なのか、という話で締めます。
世の中のトラウトベイトロッドを大きく見渡すと、二つのカテゴリに分かれています。
ライトトラウトベイト(渓流系)。適合ルアーは2〜7gが中心で、レングスは4.6〜5.2フィートが主流。本州の渓流や小規模河川、繊細なルアーの扱いには最適ですが、北海道で50cmクラスを掛けたとき、主導権を取れない場面が出てきます。
本州の本流/サクラマスベイト。適合ルアーは5〜25g、あるいは6〜28gが中心で、レングスは7.7〜8.6フィートが主流。大型に対応できるパワーは十分ですが、レングスが長く、北海道の中流で取り回そうとすると場面によっては持て余します。
クレールス5.8Lは、この二つのカテゴリのあいだに立つロッドです。ライトトラウトの上限あたり(4〜7g)も拾えて、本州の本流/サクラマスベイトの下〜中盤(5〜16g)とも重なる。しかも本流ベイトの主流レングス(7.7フィート〜)に対して、圧倒的に短い5.8フィート。
ライトの繊細さと本流のパワーを、5.8フィートという取り回しのいい長さで束ねた。それがこのロッドの位置づけです。
なぜそんなことが必要だったのか。
北海道の川では、一日の中で30cmのイワナやアメマスと、50cm以上のレインボーやブラウントラウトが両方掛かる、というのが普通に起こります。私自身、妻と釣行していて、午前中に小型を釣って、夕方にビッグトラウトを掛ける、ということを何度も経験しています。
その全部に、一本で対応する。それが北海道のフィールドの現実が要求するスペックです。
若干軽めのルアーから投げられて、9cm以上の大きめのミノーやセミルアーをオーバーハングやカバーの奥にも撃ち込んで臆病な大型を引き出せて、リフトアンドフォールで大物を仕留められて、それでいて50cmクラスのファイトでは主導権を取れる。そのために、下限は4g、上限は16g。さらに、北海道の中流で取り回せる長さとして5.8フィート。
あと、副次的な話ですが、5.8フィートは典型的なショートロッド(5フィート以下)よりもちょっとだけ長いので、フッキングが少しだけ有利で、ラインメンディングもしやすいというメリットもあります。
「北海道の川が、基準だった」。これはこういうことです。フィールドのほうがロッドのスペックを決めた。逆ではない、ということです。

次回予告
次回は、「ではなぜ、5.8フィートというレングスなのか」というレングスの話です。5.8フィートは、今のショートロッド化の流れの中では決して短くありません。むしろこの長さを選んだ理由がある、という話を書きます。
引き続きお付き合いください。
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タグ: クレールス58L / トラウト / 小川義行