Glissando 73

小川健太郎プロデュース『ナンデモ・スピニング/強』

Tulala Glissando 73 (2nd model) UOYAスペシャルモデル

旧作のパワーを引き継いだリニューアルモデル

            

Glissando=グリッサンド。楽器のテクニックで、高音域と低音域の間で、滑らかな移行を表現する奏法。ピアノの場合は手の爪側を使い、右から左、または左から右へ滑らせて演奏する。ギター等の弦楽器の場合は運指の指を弦に乗せて滑らせる。

            

強靭なパワーで知られる、初期TULALAスピニングモデル「グリッサンド73」のリニューアルバージョンとなります。

                    旧グリッサンド73説明動画
                    

★2018年番・新モデルの変更点
 旧モデルでは当時のSiCガイドが重く、グラスティップの柔軟性にマッチさせるためガイド径が極小設定でした。ガイド重量の進化に伴い、当モデルからガイド径が大きくなり、生産難易度が高かったブランクスのティップ側のグラス素材とバット側カーボンの配分を変更することが可能になりました。操作感はそれほどの違いはありませんが苦手だった1.5kg前後クラスの小型魚のフッキング率を向上させています。バット~グリップ側の設計、素材は同じで、パワーに違いはありません。ロゴと一部グリップ素材の変更を行い、見た目で新旧識別ができるようになっています。

                       

1.8gのスプーンから56gのビッグベイトまでを存分にキャストできる
パワフルなサーモン/トラウト用のロッド

それまで育ってきた海水から淡水に順応させるため、浸透圧でふやけた柔らかい皮膚。産卵への性徴で急速に発達した硬いアゴ周り。狭いピッチで立ち並ぶ釣り人の中で、猛然と左右に走り回るダッシュ力。釣り人の列の中、遡上しようとするサーモンを必中で掛ける、キャッチし続ける、という技術は、釣りの中でもトップクラスの難度といえるでしょう。
刺さりきっていない針先を常に皮膚にあてがい続けるためのソフトなティップ。一気に貫き、周囲に走られないように強引に戦うための強靭なバット。この相反する二つが同時に存在できる竿であれば、サーモンフィッシングにおけるバラシの数は劇的に軽減します。
理想はグラスティップのカーボンバットによる複合素材となります。しかし、これまでに存在した従来型のグラスティップロッドでは、重いグラス素材のために先端に偏った重心を生じるため、トウィッチ等の細かい操作やキャスト精度においてはバランス面で大きな問題を抱えていました。
また、どうしても素材の重なる部分のカーボン側が弱くなり、異なるパワーの移行も極端となり、使いこなせるアングラーが少なかったのです。これらの歴史からか、グラスとカーボンによる複合素材のロッドはいつの間にかメバル用等の細い番手の竿にしか使用できない技術のように思われていました。
ところが、この数年でコンポジット技術はいつの間にか進化しており、先調子から胴調子までの極端なパワーシフトを全く感じさせない自然で滑らかな移行が可能となっていたのです。出来上がったサンプルブランクスは、まるでグリッサンド奏法のように滑らかで、軽量でした。これならば、小さいルアーから大きなルアーまでを一本の竿でキャストが可能に。また、より大きな魚に、より小さなルアーで挑むことが可能になる、という感動からこの竿が誕生しました。
★73というミドルレングス
 肩を寄せあうように老若男女が並ぶサーモンアングラーの列に混じってルアーを投げる際、左右に迷惑をかけずにキャストできる精度を作るためのレングス。
★バットパワー
 産卵期のサケマスの発達したアゴを貫いて保持する貫通力と、釣り人の密集するエリアにおいて左右に魚を走らせないために必要なのは、純粋なバットパワー。
★ソフトなグラスティップ
 海水から淡水に入ったサケマスの皮膚は浸透圧の影響で細胞が膨らみ、フックの口切れを起こしやすい柔らかさです。ルアーがクチ周りに触っただけの状態で、刺さりきっていない針先をフッキングの瞬間まで確実に皮膚上にホールドさせ続けるためのソフトなティップ。

                    新グリッサンド ファイトシーン【イトウ70cmクラス】
                    

Detail

Staff Comment

当時、初めて自分自身のロッドを制作するにあたり、従来の市販ロッドに望めない形を求めました。その希望は二つ。一つは少年期に愛用していたテレスコピック(振り出し)ロッドの二番目ブランクスだけを仕舞って詰めたような、ソフトティップでハードなバットの操作性重視な形。もう一つはフロントグリップを排除し、その部分に薄いゴムを巻きつけることにより、フロントグリップ部分を広く取れるという、無意識下でもファイトに対応できる形。  この二つの要望を高次元で融合できるのであれば、と、グラス&カーボン複合素材のロッドを現代の技術で制作してみたわけです。意外なことに、全てのサンプルが想像を絶するほどにスムースなシフトを得ていることに驚きました。これを元にいくつかの対象魚を選択、第一弾はこの技術をもっとも欲しているサーモンフィッシングのためのロッドに仕上げました。
★ソフトティップから想像できない圧倒的パワー
 テストでは90前後のサーモンでも必要以上に走らせることなく、リフトアップまでこなすことが可能でした。(※実釣ではガイドの足に負担が掛かりますので推奨できません。)また、テストアングラーの実釣で90アップのアカメもポンピングで寄せることができたそうで、ソフトティップから想像できない圧倒的なパワーに驚かれました。  見た目やちょっと触っただけでは普通な竿ですが、限界までテストするとかなり極端な設計であることがおわかりいただけます。すべてはサーモンフィッシングの特殊な環境のためです。
★ルアーを意のままに、という副産物
 例えばラトリンログやロングAのような13センチ程のミノーを、ワンキャスト中に40回程にも及ぶ連続トウィッチをしようとしたとしましょう。おそらく硬くて短いロッドになると思います。このような硬い竿では、スピニングでは糸フケができるため、急なバイトに備えられないかもしれません。またリップがうまく水を噛まず、水面に飛び出す確率も多くなります。  前述のサーモンへの要望を踏まえて完成したグリッサンド73は、結果、トウィッチにも効果を発揮することになりました。元々少年期に数百円で購入していた安いテレスコピックロッドの二番ブランクスを詰めて使用していたのですが、これはソフトティップでリップが水を噛む状態を作りつつ、手首の負担を軽減するための工夫でした。トウィッチ動作におけるイントロの水噛みを作り、その後の捻りこみでは硬いバット部が作用します。  これにより、次々と魚が掛かる竿を作ることは出来ました。しかしながらこの安いテレスコピックロッドでは継ぎ目に負担がかかり、大きな魚が掛かる度に次々と破損していったのです。  この少年期の体験から、「トウィッチは水噛みのコントロール」というキモを得ていたにもかかわらず、ヒット後のランディングパワーまでは技術面で達成できないだろう、と勝手に納得していたのです。それから二十年近く経ち、まさかその頃の夢のような竿が自在に作れるような時代になるとは思いませんでした。  このロッドを手にした方には、そのパワーやキャスタビリティもさることながら、是非このルアーアクションの操作のほうも、心ゆくまで楽しんでいただきたいと思っております。

Spec

ModelGlissando 73 "TOREMOLO TWITCHER"
CodeGS73TT
ActionRF
Length (ft)7.30
Folded Length (cm)180
Rear Grip Length (cm)33
Rod Wt. (g)193
Mono Line (lb ,MAX)16
PE (# ,MAX)3
Cast Wt. (g)1.8~56
Price (¥ ,税別)42,800

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