ファースト~ミディアム可変のハーモニクス。
ハタを代表とする磯のロックフィッシュ・ゲーム。ルアーで狙う岸からの根魚の中で、もっとも荒い地形をトレースし、次々に岩陰を通していくしか方法はありません。
しかも捕食した瞬間には元の岩陰へ戻っているのがハタ。
さらに手前に寄せてからも岩に阻まれる、という、スピニングロッドでは難易度の高いこのゲーム。
本来であればベイトリールさえ使えれば、細かいリフト&フォールや急な突っ込みも親指一つで回避できたのです。
しかし、ベイトキャスティングタイプにすると、従来のロッドには問題がありました。
まず腰が硬ければいいので、短いものであれば従来のバスのラバージグ用で構わなかったのですが。
まず、磯場では様々な危険を回避するためにも長尺が前提です。
そうなってくると、ブランクスに生じる捻れを恐れ、弾性率を下げるしかありませんでした。
硬くしたいがゆえの高弾性、という考え方では、攻めることも、キャストを繰り返すことも出来ないのです。
この釣りの先駆者、長崎の入江真一氏が、沢山の従来の竿を犠牲にしながら、ようやく出会えたのがハーモニクスブランクでした。
高弾性の止める、低弾性の曲げるをキッチリと決めることが可能で、ある程度以上の負荷が掛かるタイミングで低弾性ベースのロッドに切り替わる可変ブランクス。
この素材であれば、長尺のベイトロッド用の制作が可能で、と決まり、ハーモニクスシリーズでも最も最初の段階で開発に掛かったのです。
ここから三年目にしてようやく、シーバス/プラッギング用の105、そしてロックフィッシュ/ワーム&ジグ用の本モデルの106が完成しました。
メインコンセプト
PEラインの持つメリットデメリットを把握し、飛距離、負荷分散、感度伝達など、メリットをトータルバランスで引き出すことができるガイドセッティング。
モノフィラメント設計からPE専用設計へ
現代の釣りにおいて、ナイロンやフロロカーボンに代表されるモノフィラメントのラインでは妥協せざるを得なかった点が、PEラインの出現によって劇的な変化を迎えました。しかしながらPEラインがいろんなフィッシングスタイルに多用されるようになっても、釣り竿のガイドセッティングは旧態依然のモノフィラライン仕様のままというのが実情です。従来のセッティングでは、せっかくのPEラインのよさが活かせず、デメリットにすらなる事があります。
PEラインは、張りがなくラインのクセがつかないことが特徴。モノフィラライン各種は進化したとはいえ、PEラインと比較して圧倒的に張りがあり、クセもつきます。そのラインの張りとクセの特性から、リングサイズを大きくし、ガイド数を少なく配置するのが従来方式。あくまでもこれらモノフィララインでの飛距離を優先していたからだと考えられます。
PEラインの場合、ガイド数を増やすことでリングへの摩擦抵抗を軽減するという逆転の発想が必要でした。
PE専用のガイドセッティング開発を通して
これまで私は、いくつかの事業でPE専用設定のガイドのセッティングを担当させていただく機会に恵まれました。その中には有名になった製品、ガイドシステムも存在しています。
張りがなくクセがつかないPEラインは、数多くの小口径リングサイズを並べるセッティングが向いています。理由は、小口径リングだからリング間のラインのバタつきを抑えることができるからです。実際のフィールドで無風な状況はまずあり得ません。ガイド数が少なく大きいリングサイズだと、リング内とガイド間隔でラインが暴れてしまい、逆に抵抗になりライントラブルとなってしまいます。このため以前より小口径リングでガイド数を増やすPEのセッティングを作ってきました。
また小口径を多数セットすることにより、ブランクのパワーをより発揮できます。キャスティング時やフッキング時のブランクのパワーと感度のアップ、リフティングパワーアップ、さらに各ガイドのライン角度がスムーズになるので、リトリーブフィールがスムーズになり、誘いからファイティング時の無駄なポンピングが減り、バラシも軽減します。
こうして従来のセッティングから、従来製品の中にラインナップされた小口径製品を流用する形で、最初のPEセッティングが次々と生まれていきました。
ストローセッティングへの進化
私が提案しているストローセッティングは、PEラインが主流になりガイド素材の軽量化が推し進められた近年、従来の専用設計では妥協せざるを得なかった部分をトータル的に向上させたものです。
これにはガイドを生産するメーカーや世界中のアングラーのアイデアなど、携わった多くの方の努力や知恵が関わっており、当然私一人で成し得たものではありません。特にトップガイド製品の多様化やフランジ形状、トルザイト、SiC-S、アルコナイトといった選択肢の増加が、ニーズや価格帯に合わせたセッティングを可能にしてきました。
キャスティング時などに特にトラブルの多いティップにはガイドの形状とガイドポジションでトラブルレスなセッティングにしています。また、ランディング時もスムーズにラインシステムが入る工夫もできるようになりました。これら技術の向上により、過酷な状況でもストレスなく集中できるはずです。フリーフォール時などは、ラインの無駄なたるみがなくなるので、ラインの抜けもよりスムーズになっていることを実感していただけるはずです。
ガイド数が多く増えても従来の大口径型ガイドシステムと比較してロッドの自重は変わらず、場合によっては軽くなるモデルも多くなってきました。こうしたガイド開発の歴史とともに、キャスティングの飛距離もPE専用で制作してきた従来のセッティングより数%アップしています。敢えてデメリットをあげるなら、ラインを通すのが面倒なくらいです。老眼の方はとくに…。(笑)
【2018新製品】ストローセッティングキャスト動画【TULALA】
ストローのように細く、小さな力でスムーズに通り抜けるように。
ストローセッティングによる新しいPEフィッシングの世界を、ぜひお楽しみいただけたらと思います。
前田製作所 前田純一
※ガイドセッティングは予告なく若干の変更が行われることがございます。ご了承ください。
Model | Corona 106 MHRC-HX |
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Code | 106MHRC-HX |
Action | RF |
Length (ft) | 10' 6" |
Folded Length (cm) | 164 |
Rear Grip Length (cm) | 38.5 |
Rod Wt. (g) | 300 |
Mono Line (lb ,MAX) | - |
PE (# ,MAX) | 4 |
Cast Wt. (g) | ~80 |
Price (¥ ,税別) | 68,000 |