Staccato 91 MSS-HX

旅に必要な要素を詰め込んだミディアムスタンダード

「何でもできる」ではなく「より多くのフィールドで使える」というロッド。

「Staccato91 開発ストーリー by工藤靖隆」

人の営みのすぐ近く、それも手が届くほどの距離に、1mを越す大きさのフィッシュイーターが潜む。
通勤や通学で目に入るその水辺には、いつもでその可能性があり、それは日本国内の多くで稀有な事ではない。

そのフィッシュイーターとは、もちろんスズキのこと。
シーバスとか入道とか色々な呼び方はあるけど、スズキという名前の魚が日本には居て私はその魚を釣ることに長いこと情熱を傾けている。

釣りをしていると、1mを超えるスズキは夢のように思うのだけど、実は思っている以上にいっぱい居て、
東京湾奥の都心部でも網が入れば、「え?こんなに居るの?」というぐらい大きなスズキがゴロンと水揚げ場に横たわる。

でも、それだけ沢山いる大型のスズキは、いつでも簡単に釣れるのか?というと、それがそうでもない。
釣りという手段を用いた場合は、1mとは言わず90cmや80cmでもそう簡単に釣れる魚ではなくなっていく。

膨大な時間を費やしてスズキ釣りを楽しんできたけど、釣れない日は沢山あるしむしろ100%の満足なんて事は年に数回あるかないか。
やっぱり居ないんじゃないか?と思った日は数えきれないほどあるが、それでも多くの経験が「居ないんじゃなくて、釣れないだけ」という答えに引き戻させる。

 

どうやって釣ろう。
そう考える事で、水辺に立てない時間すらも、スズキ釣りの世界に染まってきた。

仕事中も食事中も、寝ても覚めてもスズキ釣りの事ばかり。
あぁじゃないか、こうじゃないか。

そして今日も水辺に立つ。
日本のどこか。
ルアーを水に入れていれば、チャンスは必ずやってくると信じて。

 

 

しかし、もう一方のソリッドな視点で考えると、水辺ならどこでもチャンスがあるわけではない事を知っていて、
長い経験から得た知識が、「どこに立つか」と「いつ行くか」でほぼ答えは出てしまっていると教えてくれる。

沢山いるのに釣れない理由は、高等なテクニックが無いからでもなく、もちろんタックルにかけた金額でもない。
大きいスズキを釣るのに一番大事なのは、大きいスズキがより多く居る場所へ行く事だ。

80cmが釣りたいなら、80cmがたくさんいるところ。
1mが釣りたいなら、1mがたくさんいるところ。

まず、そういう所へ行く。
あとはある程度の基本的な技術、例えばキャストが普通にできるとか、水深や地形に合わせてソコソコ適切なルアーを選べるとか、その程度の技術で十分に「あなたが思う夢のサイズ」を狙う事は出来る。
スズキ釣りは、口を使わせるのは意外と簡単なのだ。

 

 

よって、この釣りにおいて、一番必要なスキルはより確率の高いフィールドへ立つこと。
もう一つ付け加えるなら、そのフィールドが自分以外に知るアングラーが少ないほど良い。
そういうフィールドは、まだまだ残されている。
かなり過密状態の東京湾ですらそうなのだから、日本各地には相当あると思う。

そう思いながら、日本各地で釣りをしてきた。
大きいのを狙う時もあれば、生息の限界点を探しに行くときもある。
好きな街で釣りたいときもあるし、遠くに住む友人とのセッションが理由の時も。

一番の理由は、人との戦いではなく、純粋に自然の摂理で動くスズキ釣りをしたかったから。
そういう釣りは当然だけど「初めての場所」であり、予測予定で釣りを組み立てられない旅の釣りは、常にイレギュラーの中で動くことになる。

知らない川、知らない海。
思いがけないポイントや、始めてみるベイトの動き。

そして、今この時、適切なルアーは何なのか。

正直、「ただ釣りたい」と考えると、たとえ何度か来た同じ場所であっても積み上げが無い旅の釣りはものすごく効率が悪いと言える。

それでも「旅が楽しい」が勝るから、年に数回は遠征と称して「ややこしい釣り」をしに旅に出る。
いつもと違う釣りは、自分のスズキへの想いをより深くしてくれる。

 

 

 

 

 

そんな遊びが大前提で、今回作ったスピニングロッド「スタッカート91」の話を少し。

かつてスタッカート89という、360度がポイントとなりうるウェーディングゲームに特化したロッドを作った。
当時は極端な先調子の高弾性ロッドが主流だった中、曲がりで産むストロークを最大に使うロッドのメリットを前面に打ち出したロッドだった。
感度の高いPEラインが当たり前になった時代だからこそ、バイトを乗せていく巻きの釣りでは、ストロークで描く曲線は大きく取った方が結果バレないという考え方だった。
特にスズキにおいては、噛みつくバイトではなく吸い込むバイトなので、その吸い込みを邪魔しない事は大きな意味を持つ。

 

ロッドを、「もっと強く、硬く、軽く」という方向性は、大物釣りに心が傾いた時に誰もが必ず向かっていく方向であり、当然私もそのような時期があった。
しかし、それで獲れなくなった魚に数多く出会う事になった結果、「ロッドは曲がらなくてはダメだ」という結論に達した。

 

狙っている魚の重さ(引きの強さ)、身肉の強さ、それ以上のパワーを持った強く硬いロッドは、単純に釣りを難しくするだけだ。
ただし、2つの条件を除いて。
ひとつは、どうしても重たいルアーを投げたいとき。
もうひとつは、フィールド条件が厳しく、一切の余裕もなく寄せる必要がある時。

そういう所は、そういうロッドパワーが絶対に要るので、そういうロッドを使った方が良い。
その真逆にある360度で勝負できるウェーディングゲームに合わせて作ったのが、スタッカート89というロッドだった。
純粋にスズキのパワーにだけ合わせこんだパワーと曲がり方、そして扱いやすさだった。

 

 

 

今回のスタッカート91は、基本的なロッドの考え方は89と変わらない。
やはり「ロッドは曲がってなんぼ」であり、必要以上な強さは求めなかった。
何が変わったかというと、ウェーディングに特化したのではなく、より広い状況に使いやすい方向性に振った。

 

ロッドの長さは9.1フィートと、長すぎず短すぎずのスズキ用ロッドの基本的な長さ。
89の時はウェーディング専用なので9フィート以下という条件で進めたが、今回はより多くのフィールドでの汎用性がコンセプトにあるので9.1フィートにした。
ルアーウェイトは6~32gと一般的なシーバスルアーに合わせ、89よりもパワー帯を上げてある。

 

ラインはPE2号までだけど、1~1.2号がメイン。先述の「必要以上に強いロッドが必要な二つの条件」に合わせず、通常の一般的なシーバスを狙うフィールドにおいて必要なラインの最大値にしたからだ。
もしそれ以上のラインを使う条件ならば、ロッドを強くしないとバランスが取れないはず。
なので、もしもいつも同じところで、しかもそのフィールドが明らかに強いという事だけに特化する必要があるなら、他のロッドにしたほうが良い。

 

スズキ、ルアー(フック)、ライン、リール、そしてロッドという魚に近い順番でセッティングを考えた時に、一般的なフィールドで最も楽に釣りを続けられるセッティング。
だからという訳ではないが、グリップ長は比較的長めにした。
初場所では長くフィールドに立ち、ひたすら待たなくてはならない釣りも多くあるので。

 

私はロッドの為に旅に出るのではなく、スズキを釣る為に旅を続けている。
旅先の釣りでは、ある条件下のみに合わせた極端にあるロッドの出番は、あんがいと少なくなってしまうのだ。
それは、いつの間にかロッドに合わせたポイントのチョイスになってしまい、釣る為には強いロッドが必要だと思って進めてきたその道が、逆にアングラーの自由を奪っていってしまう事になる。

 

スタッカート91は、「何でもできる」ではなく「より多くのフィールドで使える」というロッド。
それは言い換えれば、ただのスズキ竿となる。

凡庸、平凡。

世の中が「素晴らしい特徴」ばかりを謳うこの時代に、あえて普通に使えるというだけのロッドを創る。
その理由はすごく簡単で、私が楽に旅の釣りを続けるに必要だったから。

 

 

そもそもスズキ釣りは、極端な専用ロッドを何本も持ち歩くような釣りではない。

1本でどこまで出来るか。
その時に選ぶべきロッドは何なのか。

もしもこのロッドを手に取ってもらった時に、最初に思い浮かべて欲しいのは、あなたが良く行くフィールドで一番頼りにするルアー。
それがスタッカート91のスペックとマッチするかしないか。

そして、そのセットをもって、今迄に行ったことが無いフィールドへ足を延ばす自分を想像して欲しい。
何処まで行っても想像力でしかないが、その想像力が釣りを面白くしていく。

その旅の友として選んでもらえるロッド。
そういう想いでスタッカート91を作った。

 

 

 

Detail

Staff Comment

Spec

ModelStaccato 91 MSS-HX
Code91 MSS-HX
ActionRF
Length (ft)9'1"
Folded Length (cm)163.5(ワンアンドハーフ)
Rear Grip Length (cm)37.5
Rod Wt. (g)206
Mono Line (lb ,MAX)-
PE (# ,MAX)2
Cast Wt. (g)6~32
Price (¥ ,税別)64,000

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