旅先で刻々と変化する様々な環境のなかで、優雅な操作感を求めるスローテーパーなベイトロッド。
従来のスローテーパーロッドは、トップウォーターロッドに代表されるように、ほとんどがショートハンドルです。
旅用に開発されたフェザーライトは大型魚の可能性を考え、このハンドル部分から設計を開始しました。
大型魚に走られてしまう方向を決めるのはロッドワーク。このロッドワークにおいて、スローテーパーのULロッドは真上に引き上げた形でのファイトを強いられます。
このときショートハンドルは手首一本でのファイトとなり、竿先の方向が不安定になりやすくなります。
これらを両手で解消して、かつロッドのバランスが手元付近におさまるように、ダブルハンドルの重量と長さを設計しました。
PE全盛の日本のルアーゲームですが、マングローブなど根に潜られる釣りで必要なのはまだまだナイロンやフロロラインといったモノフィラメント系ラインです。
一方でベイトフィネスの釣りは「太い糸で軽いルアーを飛ばす」という考え方で、この志向を取り入れた場合、ラインはPEではなくモノフィラメント系に変わります。
小さいルアーで大きな根を撃ち、中〜大型の魚を出す、穴撃ちの釣りではまさにベイトフィネスがマッチするのです。
この釣りのロッドに関して言えば、トップガイドはマイクロセッティングが主流です。
軽く、狭くすることで、振ったロッドの方向性をすばやく安定させ、任意の場所へとルアーを導くのです。
しかしながら、穴撃ちの釣りにおいてはショックリーダーの問題が生じ、どうしてもガイドの口径をある程度上げなくてはなりませんでした。
こうなると、ガイドの重みもあって、ロッドの振幅が収まりません。
そこで、トップガイドとバットからベリー側のガイドをSiCで残したまま、ティップ側のガイドのみを形状記憶チタンのワイヤーガイド『リコイル』にしました。
こうすることによって、劇的にガイドの重みを解消し、ロッドの振幅を抑えることに成功。
最低限、ショックリーダーの通る口径も確保することができました。
※リコイルを使用したロッドの場合、細いPEで重いものを投げるときに摩擦でメインラインが切れる恐れがあります。
当ロッドを使用する際にPEライン自体の使用は可能ですが、0.8号以下のPE使用時は10g以上のルアーは付けないか、もしくはゆったりとしたスローキャストのみに留めて下さい。
当ロッドのテスト環境では切れたことがないのですが、他の硬めのロッドや長めのスピニングロッドではこの現象が見られています。
トップウォーターのバスフィッシングを思わせるスローテーパーのブランクは、大きな魚にとってインパクトを軽減します。
このロッドのテストで上がった12kg、110センチのイトウも、本来のトラウトタックルなら走られて終了、というサイズ。
魚が走るのは、一刻も早くその場から離れるための危機感です。
掛かった時点でロッドを真上に上げ、延べ竿のように耐えるファイトで首だけを左右に振らせることで、先に体力を消耗させれば、その後に走られるスピードや距離も劇的に抑えることが可能になります。
大場所であれば走らせて釣る釣りもダイナミックですが、旅先においては全てがそういう釣り場ではありません。
しっかり真上に上げられる軽さ、安定したブランクの強度は、こうした穴撃ちのような釣りにおいて、最大のアドバンテージになります。
グラスではなく、カーボンのみを採用することで、キャストのブレ等を最大限に抑え、的確なキャストを可能にしています。
マングローブ、葦際、コンクリートの構造物など、旅先で刻々と変化する様々な環境のなかで、優雅な操作感を求めるスローテーパーなベイトロッドです。
グラスのようなしなやかな曲がりを、低弾性カーボンのみで表現。
ベイトフィネスチューンされたリールとのマッチングを考え、竿先からの反発が一定の加速度になるよう、素直な設計にしており、ULロッドにありがちな竿先のもたれをリコイルの採用で解消しました。
リコイルの採用により、とてもスローテーパーとは思えないほどシャープに感じますが、振り抜く時はやはり低弾性。
ゆったりと、スローモーションのようにルアーを送り込むことが出来ます。
Model | Feather Light 63 |
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Code | FL63 |
Action | S |
Length (ft) | 6'3" |
Folded Length (cm) | 131 |
Rear Grip Length (cm) | 23.5 |
Rod Wt. (g) | 125 |
Mono Line (lb ,MAX) | 20 |
PE (# ,MAX) | 2~4 |
Cast Wt. (g) | 42 |
Price (¥ ,税別) | 39,800 |