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【サクラマスより強め、シーバスより柔らかめ。】

グリッサンド77は旅先や南のリゾート等、何が釣れるかわからない場所でとにかく魚に出会いたい。そんな背景を念頭に置きながら、同シリーズの他のロッドよりも小さいルアーをロングキャストして、より小型でもたくさんの種類の魚と出会えるように開発されました。GS72に対してティップのパワーをサクラマスロッドあたりまで落とし、バットパワーを根元だけ残すイメージです。シーバスロッドではライトな部類に近いですが、それでも旧素材のパワーを残すため、安心感が違います。折れにくい厚みで重厚な柔らかさが必要になってきます。

【ナンバーワンの、重さのバランス】

GS77開発者である小島氏(豊橋SOL)の設計では、こうした重い素材による重量バランスに最も力を注いで来ました。8ft未満のショートロッドでは、竿を立てたり寝かせたり、と動作が多く、振り続けて疲れないバランスのほうが重要です。現代のルアーロッドのほとんどが、リールの重みにまかせて竿先重心の設計になりますが、ロングロッドはともかくショートロッドは絶対的にリールシート付近に重心をオンするべき、というのがツララの基本コンセプト。南洋の釣りをよく知る小島氏はそのコンセプトに最も忠実に基づいたロッドに仕上げていきました。
バランサーパーツなしで、このコルクグリップの素材のカーブのみから描かれた、自然な重心とリアグリップ長により、力強い重さに対して、20時間を越えるような長時間の過酷な釣りも可能になりました。この竿のファーストサンプルが仕上がった時点で、小川健太郎、ボンバダアグアTERU氏も声をあげて驚嘆したほどのバランス。竿の自重を一切無視し、過酷な条件での長時間の釣りを知る者にしかわからない、実釣時間で最も重要な重量配分が、この竿最大の魅力となっています。

【高次元バランスの理由】

本来リゾートロッドには不要なはずの高次元バランスの理由は、ウェーディングにありました。アイコンに描かれたクイーンフィッシュなど、サーフのカケアガリを好む回遊魚を狙うには、遠浅の海を相当立ちこまなければ届かないことが多々あります。こうした条件で腰以上まで浸かると、ロッドは腕を延ばして操作することになり、竿先が重いだけですぐに疲れてしまいます。これは日本でも同じで、琵琶湖に干潟、そして本流とバス、ソルト、トラウトでも同様です。 こうした条件に対し、何故かロッドは自重を軽くするためだけに竿先重心で、強さを捨てて進化してきました。しかしながら、開発を突き詰めると旧素材の強さの方が重要で、バランスをとれば自重は疲れに一切関係しませんでした。素材による感度がかなり落ちますが、この難点は、疲れにくさからの実釣可能時間でカバーする考え方です。釣りの中で何が大切かは釣り人ひとりひとり違いますので、こうした竿が大ヒットする必要もないと思いますが、今まで選択肢にこの竿がなかったことが悔やまれる、というくらい、素晴らしい出来だと感じていただけるはずです。

【よりライトなグリッサンドの登場(文/小川健太郎)】

初めてグリッサンド77のプロトサンプルが上がって来たとき、ちょうどボンバダアグアのTERUさんと他のロッドの検品作業をしていました。休憩時間に竿を見せられ、最初につかんだTERUさんが「エェ~~~ッ!?これは...まさに名竿の予感しかしない。」と渡してくれたのを、今でも憶えています。ズシリとした質感のライトロッド、というブランクスに対し、リールシートで持った瞬間に重量がゼロ。重さが『フッ』と消えるのです。 豊橋SOLの小島代表が作ったこの竿は、今まで触ったことのない重量バランスで出来ていました。バランサーがないため、リアグリップの曲線だけの重量配分にこだわって設計しているのですが、その尋常ではないナチュラルさが心地よいのです。そこから二年のテストを経て、今回の販売になりました。

GSシリーズ中、最も柔らかいロッドになり、かなり小さい小型魚から4~6kgまでの小型回遊魚がメインの対象魚となります。個人的に最もカッコいいと思う魚・クイーンフィッシュを指定され、描かせていただき、それが載っている竿が最高のバランスというだけで、非常に嬉しいのですが、ベンドカーブも素直で扱いやすく、何も文句のつけようがありません。日本の釣りにおいてもバス、シーバス、トラウトと、メジャーな対象魚やルアーサイズのほとんどがこの竿で収まるため、はじめての「ナンデモ・スピニング」としても、個人的にはナンバーワンのオススメです。

Glissando=グリッサンド。
楽器のテクニックで、高音域と低音域の間で、滑らかな移行を表現する奏法。ピアノの場合は手の爪側を使い、右から左、または左から右へ滑らせて演奏する。ギター等の弦楽器の場合は運指の指を弦に乗せて滑らせる。

【ウェーディング・クレイジーのための一本】

立ちこんで釣る上でツララが重視しているのは感度や軽さではありません。タックルの重さが違うバスもシーバスも本流トラウトも、同じような時間釣りしているのは変わらないのに、誰もが同様に疲れるために、もっと軽く、と思います。 じつはこの理由は自重のバランスだけでした。腕をあげて操作するのに、手元に重心が来ていないからなのです。グリッサンド77は自重のある、重いライトロッド。そしてバランスを重視するツララの中で、最もバランスに特化したウェーディング・ショートロッドです。

【家族や恋人とリゾート旅行、さて釣り場は、】

例えば旅行先での手軽な釣りを考えるなら、南の島のリゾートフィッシングが頭に浮かびます。ふと訪れた社員旅行、家族旅行。目の前に広がるプライベートビーチ、どこまでも青い珊瑚礁...。こうしたリゾート地での釣りは、移動手段も時間も全て限られ、ぶっつけ本番です。

熱帯の島で、ましてやリゾート地において、港湾のように足場からいきなり深い場所なんて、実はほとんどありません。ちょっと遠くの港へ移動できるはずの自由時間も朝夕のわずかなプライムタイムのみで、ほとんど時間がないのが実情です。ただひとつ、ありがたいのは気温と水温が高いこと。そうです。ビーチの端の岩場など、水着でウェーディングが出来る場所があるのです。じつは、こうした場所が回遊魚のコンタクトポイント。朝夕だけは、何が掛かるかわからない、そんなワクワクの秘密の釣り場でもあったりするのです。

砂浜や珊瑚礁などに立ちこんでの動作というのは、バスでいえば琵琶湖のウェーディング、シーバスの干潟、本流のトラウトとそれほど違いはありません。つまり、日本でのルアー経験がフルに活かせることになります。

ただし、どんなルアーでどんな魚が掛かるかだけは全く断言できない、おみくじのようなルアーフィッシング。そこだけが違います。そんな回遊魚たちがこぞって襲うとすれば、小型メタルジグやトップウォーターの高速巻きで水面を乱してアピールするのが結果に最も繋がりやすいのですが、小さいルアーでの飛距離、選べない魚の大きさを考えると迷いが生じます。ちょっとしかない時間に対し、たくさんの道具は持って行けないのです。何本も竿を持っては行けない条件下で丁度TULALAロッドを選ぶ様に、それも旅の苦労でもあり、楽しさでもあるはずです。

グリッサンド77 -スペック-

長さ
7.7ft
重さ
145g
テーパー
レギュラー
ライン(MAX)
PE2号(1号推奨)/フロロ・ナイロン16Lb
キャストウェイト
1.8g~45g
対象魚
~10Kgの魚
PRICE
39,800円(税抜)/42,984円(税込)