硬く、柔らかな竿とは。
ほとんどのルアー釣りは脈釣りの一種です。
魚が来るその瞬間までは、それを伝える竿の硬さや感度が必要です。動かしているときに、水の粘性などを切るための硬さも。
例えばミノーで流れの中をトウィッチしているときやトローリングしているとき、繊細なソフトベイトをアクションさせているとき… こうした釣りにおいての操作感を維持するため、ルアーロッドは弾性を高く設定する必要があります。水に絡めたり、絡みを解いたり、ルアーを自由に操作できる硬さです。
しかしながら、これらの釣りにおいても、ひとたび魚が掛かると粘り強い曲がりが必要になります。
前述の竿は薄く、破損しやすい上に曲がる幅にも限度があります。このためには弾性を低く設定する必要が生じます。
最新ロッドのようなハリのある外殼を突き破ると、中から現れるのは筋肉のように曲がりこむ、柔らかいオールドのロッドテイスト。
軽く振り込むだけで、竿の曲がりと戻りが最大に活かされて、飛距離を出しやすい竿。長年釣り人が理想を描いていた竿の姿です。まるで映画の話のようですが、実際の制作過程はそれほどスマートではありません。
もちろん技術者側もアングラー側にも技量がなければ、この二つの背反する性質は単なるバラシを増産する竿になりかねません。
これらの諸問題を一つひとつアナログ手法で丁寧に解消し、ハーモニクスブランクスが生まれました。
非日常は10年後、日常に。
家からほど近いエリアに出かける、毎週、毎日の釣り。我々釣り人が出勤前、あるいは帰り道、はたまた週末の休みに楽しんでいる、この大切な遊びのためのロッド。ソルト、バス、トラウト…etc.
毎日のようにこうした魚たちと遊んでいると、特殊なパターン、釣り方に入っていくことがあります。
例えば渓流トラウトのシンキングミノーのトウィッチや、バスのビッグベイト、シーバスの干潟の釣り、いずれも昔は主流ではありません。
どこかで何人かがこっそりやっていて、よく釣れて、それが主流になっただけです。
実は釣りにスタンダードというものはなかったのです。
TULALAにおけるハーモニクスシリーズのコンセプトは、こうした最先端を長く走り続ける釣り人たちが「毎日振りたい」と思える竿です。
通常では考えられない、とか、これは核心をついた、とか、そういった冠詞ではなく、ただ快適に振り続けるための竿。
明日もまた出かけたくなるような、そんな竿だけを。
PE専用、遠投専用ストローセッティングのハーモニクス・スタッカート「前田製作所 × TULALA」のPEガイドセッティング、ストローセッティングエディション。
「最小限のガイド径が導き出す、最大限の飛距離」これによりラインやノットによる初期減速の障害を突破し、広範囲を探らなければならない魚たちへのアプローチが可能になりました。
また、ガイドとブランクスの一体感を高次元で成立させることで、ラインの信号がよりダイレクトにブランクへと伝わります。魚やルアーの挙動を察知し、より素早い対処を取ることで、ハーモニクスブランクスの性能を大きく引き出しました。常に新しい、独自のガイドセッティングの研究を続けるマエストロ・前田氏が送り出す渾身のソルトセレクション。